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給料が安いから辞めたいときの判断基準|辞める前に確かめること

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給料が安いから辞めたいときの判断基準|辞める前に確かめること

「給料が安くて、もう辞めたい」と感じるのは、珍しいことではありません。ただ、勢いで辞めると、次の職場で年収が下がったり、収入のない期間が長引いたりすることがあります。まず「本当に安いのか」を統計と時給換算で確かめ、上がる見込みと法令違反の有無を見てから、辞めるかどうかを決めるのが、後悔しにくい順番です。

当記事では、給料が本当に安いかの確かめ方、辞めてよいケースと様子を見るケース、辞める前にやることを、国税庁・厚生労働省の統計と法令をもとに解説します。あわせて、ホワイトだけど給料が安い職場の考え方と、辞めずに収入を増やす方法も整理します。

目次

給料が安いから辞めたいと思ったらまず「本当に安いか」を確かめる

「安い」と感じる理由が、世の中の水準より低いことなのか、会社のルールが守られていないことなのかで、取るべき行動は変わります。確かめたいのは、統計との比較、時給換算、残業代、昇給の基準の4点です。

同じ年代の平均年収と月給の中央値を、額面で比べる

まずは源泉徴収票の「支払金額」(税金や社会保険料が引かれる前の額面年収)を、同じ年代の公的統計と比べましょう。手取りで比べると、実際より低く見えてしまいます。「手取りが月◯万円しかない」と感じている場合も、給与明細の総支給額に直してから比べると判断を誤りにくくなります。

年齢年収の平均(国税庁)月給の中央値(厚生労働省)
25〜29歳425万円26.79万円
30〜34歳462万円29.14万円
35〜39歳503万円31.01万円
40〜44歳531万円32.55万円
45〜49歳550万円33.48万円
50〜54歳568万円34.59万円

※男女計。年収の平均は1年を通じて勤務した給与所得者(パート・アルバイト等を含む)の平均給与で、千円単位を万円に四捨五入。月給の中央値はフルタイムで働く人(一般労働者)の令和7年6月分の所定内給与額で、残業代・賞与を含みません。引用:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」統計表 第10表(令和8年9月公表)、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者 第3表

平均は一部の高い年収に引き上げられやすいため、比べるなら月給の中央値もあわせて見るのがおすすめです。月給(基本給と毎月決まって支払われる手当)が同じ年代の中央値を大きく下回っているなら、「安い」と感じるのはもっともだといえます。業種や会社の規模による差も大きく、業種別・企業規模別の水準は年収が上がらない理由と理由別の対処法で詳しく解説しています。

月給を時給に直すと、最低賃金を下回っていないかが分かる

月給制で働いている場合も、月給を1時間あたりの金額に直すと、最低賃金を下回っていないかを確かめられます。厚生労働省のセルフチェックシートでは、次の式で計算します。

  1. 月給から、残業代(時間外・休日・深夜の割増賃金)、賞与など1か月を超える期間ごとの賃金、臨時の賃金、精皆勤手当・通勤手当・家族手当を除いた額を出す(基本給や職務手当などは含める)
  2. 1日の所定労働時間×年間の労働日数÷12で、1か月の所定労働時間を出す
  3. 月給÷1か月の所定労働時間で、1時間あたりの金額を出す

たとえば、上の方法で出した月給が20万円で1日8時間・年間240日働く場合、1か月の所定労働時間は160時間で、1時間あたり1,250円になります。令和8年度の地域別最低賃金は、東京都1,280円、全国加重平均1,177円(改定前1,121円)で、最も低い宮崎県でも1,085円です。この例では、東京都の最低賃金を下回ることになります(編集部の試算)。

※令和8年度の改定額の発効日は都道府県ごとに異なり、令和8年10月1日〜12月2日に順次発効します。引用:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」、厚生労働省「最低賃金の対象となる賃金」

最低賃金法第4条では、会社は最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないと定められています。計算して下回っている場合は、給料が安いかどうか以前に、会社に確認するか、後述の相談窓口に相談しましょう。

残業代が正しく払われていないなら、労働基準監督署などに相談できる

給料が安いと感じる原因が、残業代が払われていない、または少ないことにある場合もあります。労働基準法第37条では、時間外労働や休日労働に対して割増賃金を支払うことが定められており、時間外労働の割増率は2割5分以上(1か月60時間を超えた部分は5割以上)です。

固定残業代(みなし残業代)がある場合は、雇用契約書や給与明細で、何時間分の残業代が含まれているかを確かめましょう。実際の残業がその時間を超えているのに、超えた分が払われていない場合は、確認や相談の対象になります。

未払いの賃金を請求できる期間には時効があり、労働基準法では現在、当分の間3年とされています(労働基準法第115条・第143条)。タイムカードや勤怠の記録、給与明細は、辞める前に手元に控えておきましょう。相談先は、労働基準法違反の疑いがあれば勤務先を管轄する労働基準監督署、どこに相談すればよいか迷う場合は総合労働相談コーナーです。総合労働相談コーナーは予約不要・無料で、面談か電話で相談でき、法律違反の疑いがある場合は労働基準監督署などに取り次いでもらえます。

昇給の基準・評価・手当は就業規則と賃金規程で確かめる

「この会社にいても上がらない」と判断する前に、昇給がいつ、何を基準に決まるのかを就業規則や賃金規程、評価制度の資料で確かめましょう。常時10人以上の労働者を使用する事業場では、昇給に関する事項を含む就業規則の作成と労働基準監督署への届け出が義務づけられています(労働基準法第89条)。上がる仕組みがあるのに評価が伸びていないのか、そもそも上がる仕組みが乏しいのかで、次に取る行動が変わります。会社の仕組みの見分け方は給料が上がらない会社の特徴と確かめ方で詳しく紹介しています。

給料が安くて辞めたい人の判断基準

給料を理由に辞めたいと思うのは甘えではなく、実際に多い退職理由の一つです。厚生労働省「令和7年雇用動向調査」によると、転職した人が前職を辞めた理由のうち、「給料等収入が少なかった」は男性9.9%、女性8.6%でした。男性では「定年・契約期間の満了」に次いで多く、25〜34歳の男性では13%台です(「その他」の理由を除く)。

※令和7(2025)年1年間の転職入職者が前職を辞めた理由別の割合。引用:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」(令和8年8月公表)

ただし、辞めるのが正解かどうかは人によって違います。次の早見表で、自分の状況がどちらに近いかを整理してみてください。

確かめること辞めることを考えてよい状況もう少し様子を見てもよい状況
生活費給料だけでは毎月の生活費が足りない貯蓄はできないが、生活は回っている
昇給の見込み基準を満たしても上がらない・仕組みがない昇給の時期や基準がはっきりしている
法令最低賃金割れ・残業代の未払いが続く問題は見当たらない
次の仕事今より条件のよい内定・求人の目安がある比べる求人がまだない

※判断材料の整理で、どちらかを勧めるものではありません。

辞めることを考えてよいのは、生活が成り立たず、上がる見込みもないとき

給料だけでは生活費が足りず、昇給の基準を満たしても上がらない状態が続いているなら、転職を本格的に考えてよいタイミングといえます。昇給交渉をして「何ができれば上がるか」を聞いても、具体的な答えが返ってこない場合も、会社の仕組みで上がりにくい可能性があります。

また、最低賃金を下回っている、残業代が払われないといった状態が続き、相談しても改善されない場合は、給料の額以前に職場のルールの問題です。前述の相談窓口を使いながら、在職中に次の職場を探し始めることも選択肢になります。

もう少し様子を見てもよいのは、昇給の時期が近いときや経験を積んでいる途中のとき

一方で、昇給や評価の時期が近い、または今の仕事で転職に役立つ経験を積んでいる途中なら、すぐに辞めずに様子を見る判断もあります。たとえば、次の評価面談で昇給を相談する、資格や担当業務の実績を作ってから転職活動を始める、といった進め方です。

様子を見る場合も、「いつまでに何が変わらなければ動くか」の期限を決めておきましょう。期限を決めずに待つと、不満を抱えたまま時間だけが過ぎてしまうことがあります。

「ホワイトだけど給料が安い」「頑張らない働き方」はアリか

残業が少なく人間関係もよいけれど、給料だけが安い。こうした職場を辞めるかどうかは、年収の額だけで比べると判断を誤りやすくなります。比べ方と、続ける場合に確かめたいことを整理します。

ホワイトで給料が安いなら、労働時間あたりの賃金で比べる

残業が少ない職場は、年収を年間の労働時間で割った「1時間あたりの賃金」で比べると、見え方が変わることがあります。

例年収年間の労働時間1時間あたり
A:残業ほぼなし330万円1,920時間約1,719円
B:残業月40時間420万円2,400時間1,750円

※編集部が作った計算例です(Aは月160時間、Bは月200時間で計算)。実際の年収や労働時間は職場によって異なります。

この例では、年収は90万円違っても、1時間あたりの賃金はほぼ同じです。残業の少ない職場は、空いた時間を勉強や副業、家族との時間に使える点も含めて比べてみてください。年収が下がる転職をどこまで許容するかは、転職で年収が下がる人の割合と対策で解説しています。

頑張らない働き方を選ぶなら、生活費と貯蓄の下限を先に決める

今の働き方を続けると決める場合も、毎月の生活費と、将来に備える貯蓄をまかなえる最低限の手取りを先に決めておきましょう。手取りがその下限を上回っていれば、給料が安くても今の職場を続ける理由になります。下回って家計が赤字なら、居心地のよさだけで続けるのは難しく、副業や支出の見直しで差を埋めるか、条件の合う職場に移るかを考える時期です。

続けるなら、転職で評価される経験が積めているかも確かめる

ホワイトな職場で長く働くこと自体は悪いことではありません。ただ、担当業務がずっと変わらず、外で説明できる経験や実績が増えていない場合は、将来、年収を上げたくなったときに選べる職場が限られることがあります。

年に1回程度、職務経歴書を書くつもりで「この1年でできるようになったこと」を書き出してみましょう。書くことが増えているなら、今の職場で力をつけながら続ける選択も十分にありえます。

給料が安いから辞める前にやること

辞めると決めた場合も、順番を間違えると収入が途切れたり、退職の手続きでもめたりします。辞める前に済ませておきたいのは、次の3つです。

在職中に転職活動をして、提示年収を確かめてから退職を決める

次の職場の内定と提示年収を確かめてから、退職を伝えるのが基本です。給料が安いという理由で辞めても、転職すれば年収が上がるとは限りません。厚生労働省「令和7年雇用動向調査」では、転職した人のうち前職より賃金が「増加」した人は40.8%、「減少」した人は31.0%、「変わらない」人は25.5%でした。

在職中であれば、内定の条件が今より悪いときは転職を見送れます。転職先がなかなか見つからない場合も、収入が途切れないため、応募する業界・職種や希望条件を見直しながら続けられます。内定が出たら、月給・賞与・残業代・手当に分けて今の給料と比べましょう。提示額に納得できないときの伝え方は転職の年収交渉のやり方、年収が上がりやすい転職の進め方は転職で年収アップする方法にまとめています。

収入が途切れたときに備えて、生活費の何か月分を貯蓄でまかなえるかを把握する

転職先が決まる前に辞める可能性があるなら、毎月の生活費と、貯蓄で何か月暮らせるかを先に計算しておきましょう。必要な金額は家族構成や住まいによって違うため、一律の目安はありません。

雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)を受け取るには、原則として離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることなどの条件があり、離職の理由によっても条件が変わります。正当な理由のない自己都合で退職した場合は、退職日が令和7年4月1日以降なら原則1か月の給付制限があり、その間は基本手当を受け取れません(厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」)。自分が対象になるかや受け取れる時期は、ハローワークインターネットサービス「基本手当について」で確かめ、住所地のハローワークに確認しましょう。

退職は就業規則の申し出時期を確かめる。法律上は申し入れから2週間で終わる

正社員のように雇用期間の定めがない場合、民法第627条第1項では、退職の申し入れから2週間を経過すると雇用が終了すると定められています(民法)。一方、就業規則で「退職は1か月前までに申し出る」などと定めている会社もあるため、まずは自分の会社の規定を確認しましょう。

引き継ぎや有給休暇の消化も考えると、規定に合わせて早めに直属の上司へ伝えるほうが、トラブルになりにくいです。退職の理由は「一身上の都合」で足ります。面談で理由を聞かれたときは、「給料が安いから」と不満として伝えるより、「収入を上げられる仕事に挑戦したい」のように、次にやりたいことを軸に話すと角が立ちにくくなります。なお、契約社員など期間の定めがある雇用は、扱いが異なります。

辞めずに今の会社で収入を増やす方法

すぐに辞めるのが難しい場合や、今の職場に残りたい理由がある場合は、今の会社にいながら手元のお金を増やす方法もあります。ここでは3つの方法を紹介します。

昇給交渉は、評価面談の前に実績と相場を用意して相談する

今の会社で給料を上げるなら、評価面談や賃金改定の前に、実績と同じ職種・年代の賃金水準を用意して相談するのが進めやすい方法です。前述の就業規則で昇給の基準を確かめ、基準に沿った実績を数字で示すと、上司も会社に説明しやすくなります。

断られた場合も、「何ができれば上がるか」と次の評価の時期を確認しておくと、残るか辞めるかを判断する材料になります。準備の仕方や伝え方の例文は、昇給交渉のやり方で解説しています。

副業は就業規則を確かめてから始め、所得が年20万円を超えたら確定申告をする

本業の給料がすぐに上がらないなら、就業規則で副業が認められているかを確かめたうえで、副業で収入を足す方法もあります。勤務先によっては、届け出や許可が必要な場合があります。

年末調整を受けている会社員は、給与以外の所得の合計が年20万円を超えると、所得税の確定申告が必要です(国税庁 タックスアンサーNo.1900)。副業の収入は保証されるものではないため、本業に支障が出ない範囲で始めましょう。始め方と注意点は、会社員の副業の始め方で詳しく解説しています。

支出の見直しで、手元に残るお金を増やす

給料そのものは増えなくても、通信費やサブスク、保険などの固定費を見直すと、見直した後の支払いから手元に残るお金が増えます。見直す項目と効果の目安は固定費削減の見直しリストでまとめています。年末調整や確定申告で使える控除の申告漏れがないかを確かめるのも一つの方法です(会社員の節税一覧)。

浮いたお金と時間は、転職活動の準備やスキルの習得に回すと、次の一手につなげやすくなります。具体的な方法は、手取りを増やす方法で解説しています。

【まとめ】給料が安いから辞めたいならまず本当に安いかを確かめよう

当記事では、給料が安くて辞めたいときの判断基準を、国税庁・厚生労働省の統計と法令をもとにご紹介しました。ポイントは次の通りです。

  • 源泉徴収票の額面年収と月給を、同じ年代の平均年収・月給の中央値と比べる
  • 月給を時給に直して、令和8年度の地域別最低賃金(全国加重平均1,177円)を下回っていないか確かめる
  • 残業代の未払いや最低賃金割れは、労働基準監督署や総合労働相談コーナーに相談できる
  • 辞めるかどうかは、生活費・昇給の見込み・法令・次の仕事の4点で整理する
  • 辞めるなら在職中に転職活動をする。転職で賃金が増えた人は40.8%、減った人は31.0%

いきなり退職を決める必要はありません。まずは給与明細と就業規則を用意して、月給を時給に直し、昇給の基準を確かめることから始めましょう。そのうえで、今の会社で上げるか、転職するか、副業や支出の見直しで補うかを決めると、遠回りをしにくくなります。年収を上げる方法の全体像は、年収を上げたい人がやるべきことで紹介しています。

記事の情報について

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、収入の増加や特定の結果を保証するものではありません。税金・社会保険・制度の内容は改正されることがあるため、最新情報は公的機関の公式サイトでご確認ください。本記事の情報は2026年10月時点のものです。

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この記事を書いた人

年収上げたい.com を運営する編集部です。年収を上げたい人に向けて、国税庁・厚生労働省などの公的な統計や制度の一次情報をもとに、今の会社で上げる・転職・スキルと資格・副業・支出の見直しといった打ち手をわかりやすく解説しています。記事は公開前に数字と制度を一次情報で確認し、結果を保証するような表現はしない方針です。

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