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会社員の副業の住民税|普通徴収の選び方・申告・税額の目安

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会社員の副業の住民税|普通徴収の選び方・申告・税額の目安

副業を始めた会社員の方が気になるのが、住民税がいくら増え、どう納めるのかという点です。結論から言うと、副業の所得は本業の給与と合算され、所得割はおおむね副業の所得の10%増えます。業務委託など給与以外の副業なら、申告書で副業分を「自分で納付」(普通徴収)にできますが、会社に副業が知られないとは限りません。

当記事では、住民税の特別徴収と普通徴収の違い、確定申告書第二表での選び方、20万円以下でも必要な住民税の申告、税額の目安と納付時期を、地方税法と総務省・国税庁・自治体の案内をもとに解説します。

目次

会社員の副業にかかる住民税の仕組み

最初に、住民税の計算と納め方を確認します。副業で変わるのは「所得割」とその納め方です。

副業の所得は本業の給与と合算され、所得割は原則10%で計算される

個人住民税には、所得に応じてかかる「所得割」と、所得にかかわらず定額の「均等割」があります。総務省によると、所得割の税率は10%(道府県民税4%・市町村民税6%)で、前年1月1日から12月31日までの所得で計算されます(総務省「個人住民税」・2026年10月時点)。政令指定都市では道府県民税2%・市民税8%の配分になりますが、合計は同じ10%です。

副業の所得は、本業の給与所得と同じ「前年の所得」に含まれます。横浜市は、所得税と違って住民税は所得の多少にかかわらず給与所得と合算して税額を計算すると案内しています(横浜市「よくあるご質問(給与以外の所得がある場合の住民税の申告)」)。副業の所得が少額でも、申告すれば住民税の額に反映されます。

納め方は「特別徴収」と「普通徴収」の2つ。会社員は原則として特別徴収

住民税の納め方には、会社が給与から天引きして市区町村に納める「特別徴収」と、本人が納付書などで納める「普通徴収」の2つがあります(総務省「個人住民税」)。

納め方誰が納めるか回数
特別徴収会社が給与から天引きして納める6月〜翌年5月の12回
普通徴収本人が納付書・口座振替などで納める原則として年4回

※地方税法第320条・第321条の5をもとに編集部作成。普通徴収の納期は市区町村の条例で定められます(2026年10月時点)。引用:地方税法(e-Gov法令検索)

地方税法では、給与を受けている人の給与所得にかかる住民税は特別徴収で納めるものとされています(第321条の3第1項)。さらに、給与以外の所得がある場合、市区町村は条例により、その所得割も給与からの天引きに加算して特別徴収できると定められています(同条第2項)。何も選ばなければ、副業分の住民税も本業の給与から天引きされるのが基本です。

均等割は副業をしても増えない。増えるのは所得割の部分

均等割の標準税率は年4,000円(道府県民税1,000円・市町村民税3,000円)で、2024年度からは森林環境税(国税)1,000円が合わせて徴収されています(総務省「個人住民税」)。均等割は住所のある市区町村で1人ごとにかかるもので、副業の収入があっても通常は増えません。

副業の住民税を普通徴収にできるケース・できないケース

副業分の住民税を自分で納める「普通徴収」にできるかどうかは、副業の所得の種類で分かれます。

副業の種類所得の区分副業分の普通徴収
業務委託・フリーランス・物販など雑所得・事業所得など申告書で選べる
アルバイト・パート・単発バイト給与所得原則として選べない

※地方税法第321条の3・第321条の4、西宮市・文京区の案内をもとに編集部作成。扱いは市区町村によって異なる場合があります(2026年10月時点)。

業務委託や物販など給与以外の所得は、申告書で「自分で納付」を選べる

地方税法第321条の3第2項のただし書きでは、申告書に給与所得以外の所得にかかる所得割を普通徴収で納めたい旨の記載があるときは、特別徴収に加算しないとされています。業務委託の報酬、物販、ブログの広告収入など、給与以外の副業はこの対象です。

西宮市も、副業分の所得に限らず給与所得以外の所得がある場合は、申告することで給与からの天引きとは別に納付書で納められると案内しています(西宮市「副業分を納付書(普通徴収)で納めたい場合」)。選べるのは「給与以外の所得の分」だけで、本業の給与にかかる住民税は引き続き給与から天引きされます。

アルバイトなど給与の副業は、普通徴収にできない場合が多い

副業がアルバイトやパートで、副業先から給与を受け取っている場合は事情が違います。地方税法では、給与の支払者が2か所以上あるときは、市区町村が条例でその全部または一部を特別徴収義務者に指定するとされています(第321条の4第4項)。給与の副業分は、原則として本業の給与と合わせて特別徴収されます。

西宮市は、複数の会社から給与を得ている場合について「一部の支払者からの給与に係る税額のみを普通徴収とすることは法律上はできません」と案内しています。国税庁の確定申告の手引きでも、給与所得にかかる住民税は給与から差し引かれると説明されています(国税庁「手順6 住民税、事業税に関する事項を記入する」・令和7年分)。単発のアルバイト(スキマバイト)も給与なので、同じ扱いです。

副業先から市区町村には、原則として給与支払報告書が提出されます(地方税法第317条の6)。アルバイトの副業の確定申告や社会保険の基準は、会社員の副業はいくらまでか(税金・社会保険・扶養の基準)で整理しています。

給与以外の副業でも、選び方や申告の内容によっては特別徴収になる

給与以外の副業でも、「自分で納付」を選べば必ず普通徴収になるわけではありません。文京区は、確定申告期限内に申告書を提出して「自分で納付」を選ぶよう案内したうえで、給与所得以外の所得がマイナス(赤字)の場合や申告の内容によっては特別徴収になる場合があるとしています(文京区「副業がある場合の徴収方法について」・2026年2月更新)。

申告書に記載がない場合や期限後に申告した場合の扱い、納期の日付や納付方法なども、住んでいる市区町村によって案内が異なります。普通徴収を希望するなら期限内に申告し、1月1日時点の住所地の市区町村の案内を確認して、分からない点は住民税の担当課に問い合わせるのが確実です。

普通徴収を選んでも、会社に副業が知られない保証はない

普通徴収は「会社にバレない方法」として紹介されることがありますが、普通徴収にしたからといって、会社に知られないと保証されるわけではありません。前述の通り申告の内容によっては特別徴収になる場合があるほか、同僚やSNSなど住民税以外の経路から知られることもあります。

西宮市は、特別徴収の場合、会社には各従業員の年税額と毎月の徴収額が通知されるため、本業の給与以外の所得が極端に多いと副業を疑われる可能性があると説明しています。会社が気づく仕組みと届け出の考え方は、副業が会社にバレる理由と届け出の考え方で詳しく解説しています。

普通徴収とは別に、就業規則の届け出や許可が必要な場合がある

普通徴収は、給与以外の所得の住民税を自分で納めるための選択肢で、副業を隠すための制度ではありません。勤務先の就業規則で副業が届出制や許可制になっているなら、住民税の納め方にかかわらず手続きが必要です。

就業規則の確認方法や「禁止」「許可制」「届出制」の違いは、正社員は副業してもいい?法律と就業規則の確認方法で整理しています。なお、公務員は法律で兼業が制限されているため、住民税の前に許可の要否を所属先に確認する必要があります。

普通徴収を選ぶ3つの手順(確定申告書・e-Tax・通知)

給与以外の副業で普通徴収を希望する場合は、使う申告書に合わせて次の手順で選びます。

手順1:確定申告書なら、第二表の「自分で納付」に〇を付ける

所得税の確定申告をする場合は、申告書第二表の「住民税・事業税に関する事項」にある「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で、「自分で納付」に〇を付けます。国税庁の手引きでは、給与から差し引くことを希望する場合は「特別徴収」に、給与から差し引かないで自分で納付する場合は「自分で納付」に記入すると説明されています(国税庁「手順6」・令和7年分)。

確定申告をすれば、住民税の申告もしたものとみなされます(地方税法第317条の3)。住民税用に別の申告書を出す必要はありません。申告書の作成や期限など確定申告そのものの流れは、副業の確定申告のやり方と期限を参考にしてください。

手順2:e-Taxの作成コーナーなら、「住民税等に関する事項」の画面で選ぶ

国税庁の確定申告書等作成コーナーで作る場合は、「財産債務調書、住民税等に関する事項」画面の下部にある「住民税の徴収方法の選択」で「自分で納付」を選びます(e-Tax「作成コーナーで「住民税等に関する事項」を入力したい」・令和8年1月更新)。

給与や公的年金等の所得だけの場合は、この項目は表示されません。文京区は、e-Taxで納付方法を選べない場合に副業分を普通徴収にしたいときは、区に問い合わせるよう案内しています。画面で選べないときは、住所地の住民税の担当課に相談してください。

手順3:6月ごろに届く通知で、副業分が普通徴収になっているか確かめる

普通徴収になると、副業分の住民税は市区町村から自宅に届く納税通知書で納めます(総務省「個人住民税」)。会社経由で渡される特別徴収の通知と自宅に届く納税通知書を見比べ、副業分がどちらに入っているかを確かめましょう。

納付方法は自治体によって違い、文京区では口座振替・コンビニ・スマートフォン決済アプリなどに対応しています(文京区「普通徴収(自分で納付)」)。

所得20万円以下で確定申告をしなくても住民税の申告は必要

副業の所得が少なく確定申告をしない場合でも、住民税の手続きは別に必要です。ここを見落とすと、普通徴収を選ぶ機会もなくなります。

「20万円以下は申告不要」は所得税だけの基準。住民税には同じルールがない

会社員が給与以外の所得20万円以下なら確定申告をしなくてよいのは、所得税の決まりです。住民税には「所得20万円以下なら申告不要」という基準がありません。地方税法第317条の2第1項では、住民税の申告が不要になるのは、給与支払報告書が提出される給与を受けていて前年に給与所得以外の所得がなかった人などに限られています。

横浜市も、給与以外の所得が年20万円以下で所得税の確定申告をしなかった場合は、住民税の申告が必要と案内しています(横浜市「よくあるご質問(給与以外の所得がある場合の住民税の申告)」・2026年4月更新)。

副業の状況所得税住民税
給与以外の所得が20万円超確定申告が必要確定申告で申告済みになる
給与以外の所得が20万円以下確定申告は不要住民税の申告が必要
20万円以下でも医療費控除などで確定申告する副業の所得も含めて申告確定申告で申告済みになる

※給与を1か所から受け、年末調整を受けている会社員の場合。地方税法第317条の2・第317条の3、国税庁 No.1900 をもとに編集部作成(2026年10月時点)。

住民税の申告先は、その年の1月1日時点で住んでいる市区町村で(地方税法第317条の2第1項・第318条)、期限は3月15日です。住民税の申告書にも、確定申告書と同じように副業分の納め方を選ぶ欄があります(西宮市)。金額ごとの基準は会社員の副業はいくらまでかでも一覧にしています。

住民税の申告をしないと、条例で過料の対象になることがある

地方税法第317条の5では、住民税の申告書を正当な理由なく提出しなかった場合、市区町村は条例で10万円以下の過料を科す規定を設けられるとされています。実際に科されるかは自治体と個別の事情によりますが、「少額だから申告しなくても問題ない」とはいえません。

また、普通徴収の住民税を納期限までに納めない場合は、延滞金がかかります(地方税法第326条)。副業の所得が出た年は、確定申告をしないなら住民税の申告をする、という流れで覚えておくと漏れを防げます。

副業の住民税はいくら?税額の目安と納付時期

増える住民税の目安は「副業の所得×10%」。月5万円の所得なら年6万円ほど

本業の給与ですでに基礎控除などの所得控除を使っている会社員なら、副業の所得がそのまま課税所得に上乗せされます。そのため、増える住民税(所得割)は、副業の所得(収入から経費を引いた額)の10%がおおよその目安です。

副業の所得(年)月あたりの目安増える住民税(年)
10万円約8,300円約1万円
20万円約1万7,000円約2万円
60万円5万円約6万円
120万円10万円約12万円

※副業の所得×所得割10%で計算した概算(編集部試算・2026年10月時点)。経費を引いた後の所得で計算します。調整控除などの税額控除、ふるさと納税や住宅ローン控除の有無、自治体の税率によって実際の税額は変わります。所得税は別にかかります。

たとえば副業で月5万円の収入があり、経費が年10万円なら、所得は50万円で住民税は約5万円増える計算です。所得税は本業と合わせた所得の水準で税率が変わるため、所得税と住民税を合わせた目安は副業の確定申告の記事の試算表を見てください。

副業がアルバイトの場合は、本業と副業の給与の合計額から給与所得控除を引きます(国税庁 No.1410)。合計の給与収入が850万円以下なら控除も増えるため、増える所得は額面の給与より少なくなるのが一般的で、住民税の増え方は上の表より小さくなります。850万円を超えると控除は上限の195万円のため、副業の給与の額面がそのまま所得に加わります。

副業をした翌年の6月から納める。特別徴収は12回、普通徴収は原則4回

住民税は前年の所得で決まるため、副業の所得にかかる住民税を納め始めるのは、副業をした翌年の6月からです。2026年に副業をした場合の流れは次の通りです。

時期起きること
2026年1月〜12月副業で所得を得る
2027年3月15日まで確定申告または住民税の申告をする(普通徴収はここで選ぶ)
2027年5月31日まで市区町村が特別徴収の税額を勤務先に通知する
2027年6月〜2028年5月特別徴収の場合は、給与から12回に分けて天引き
2027年6月・8月・10月・2028年1月普通徴収の場合の原則の納期(日付は市区町村の条例による)

※地方税法第317条の2・第320条・第321条の4・第321条の5をもとに編集部作成。引用:地方税法(e-Gov法令検索)(2026年10月時点)

普通徴収の納期は、地方税法第320条で6月・8月・10月・1月中に市区町村の条例で定めるとされています(特別な事情がある場合は異なる納期も可)。副業を始めた年は住民税が増えず、翌年の6月以降にまとめて増えるため、副業の収入の一部を納税用に取り分けておくと慌てずに済みます。

副業が2つ以上あっても、所得を合計して1つの税額が決まる

副業を複数かけもちしている場合も、すべての所得を合計して住民税が計算され、副業ごとに別々の住民税がかかるわけではありません。ダブルワークでも住民税が二重にかかることはありません。

給与の副業と給与以外の副業が混ざっている場合、普通徴収を選べるのは給与以外の所得の分だけです。

【まとめ】会社員の副業の住民税は申告と納め方を先に確認しよう

会社員の副業と住民税のポイントは次の通りです。

  • 副業の所得は本業の給与と合算され、住民税の所得割は原則10%。増える額の目安は副業の所得×10%
  • 会社員の住民税は原則として特別徴収。業務委託など給与以外の副業分は、申告書で「自分で納付」(普通徴収)を選べる
  • アルバイトなど給与の副業は、原則として本業と合わせて特別徴収され、普通徴収にできない場合が多い
  • 副業の所得が20万円以下で確定申告をしなくても、住民税の申告は必要(期限は3月15日)
  • 納め始めるのは副業をした翌年の6月から。普通徴収でも会社に知られない保証はなく、扱いは市区町村で異なる

まずは今年の副業が「給与」か「給与以外」かを確かめ、確定申告をするか住民税の申告をするかを決めておくと、3月の手続きで迷わずに済みます。副業を始めるときの全体の流れは会社員の副業の始め方にまとめています。

住民税を含めた税金の負担を控除で軽くしたい方は会社員の節税一覧を、副業以外も含めて収入を増やす方法を整理したい方は年収を上げたい人がやるべき5つの方法もあわせて参考にしてみてください。

記事の情報について

副業の収入は保証されるものではありません。会社員の方は勤務先の就業規則(副業規定)を確認してください。副業の所得が年間20万円を超える場合などは確定申告が必要になることがあります。本記事の情報は2026年10月18日時点のものです。

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この記事を書いた人

年収上げたい.com を運営する編集部です。年収を上げたい人に向けて、国税庁・厚生労働省などの公的な統計や制度の一次情報をもとに、今の会社で上げる・転職・スキルと資格・副業・支出の見直しといった打ち手をわかりやすく解説しています。記事は公開前に数字と制度を一次情報で確認し、結果を保証するような表現はしない方針です。

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