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給料が上がらないなら転職すべき?判断基準と在職中の進め方

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給料が上がらないなら転職すべき?判断基準と在職中の進め方

「何年働いても給料が上がらないけれど、転職したほうがいいのか」と迷う人は少なくありません。転職を考えてよいのは、上がらない原因が会社や業界にあり、今の会社で上がる道筋が見えないときです。ただし、転職した人のうち賃金が増えた人は約4割で、下がる人もいるため、動く前の確認が欠かせません。

当記事では、給料が上がらないときに転職すべきかの判断基準、転職で上がりやすい条件と下がりやすい条件、動く前に確認すること、在職中の進め方を、厚生労働省の統計をもとに解説します。

目次

給料が上がらないなら転職すべきかの判断基準

転職するかどうかは、「給料が上がらない」という事実だけでは決められません。原因がどこにあるのか、今の会社に残った場合に上がる見込みがあるのかで、取るべき行動が変わります。ここでは、判断の目安を4つの観点で解説します。

転職を考えてよいのは、原因が会社や業界にあり、上がる道筋が見えないとき

転職を前向きに検討してよいのは、給料が上がらない原因が会社の仕組みや業界の給与水準にあり、今の会社で上がる条件を確かめても道筋が見えないときです。この場合、本人がどれだけ頑張っても、会社の中で給料が伸びる余地が小さいためです。

たとえば、昇給の基準が就業規則や賃金規程に書かれていない、評価面談で「次に上がる条件」を聞いても答えがない、会社の業績が何年も伸びていない、といった状況が重なるなら、働く場所を変えることで給料が上がる可能性があります。会社側の原因を見分けるポイントは、給料が上がらない会社の特徴と確かめ方で詳しく解説しています。

100人以上の企業の91.5%が2025年に賃上げ。何年も月給が動かないなら原因を確かめる

自分の会社の給料の上がり方が普通なのかは、世の中の賃上げの状況と比べると判断しやすくなります。厚生労働省「令和7年賃金引上げ等の実態に関する調査」によると、2025年中に1人平均賃金を引き上げた・引き上げる企業の割合は91.5%でした。1人平均賃金の改定額は月13,601円、改定率は4.4%です。

項目2025年2024年
1人平均賃金を引き上げた・引き上げる企業91.5%91.2%
1人平均賃金の改定額(月額)13,601円11,961円
1人平均賃金の改定率4.4%4.1%

※常用労働者100人以上の民間企業が対象。企業ごとの1人平均の数字で、個人の昇給額を示すものではありません。2025年は9〜12月の予定を含みます。引用:厚生労働省「令和7年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」(令和7年10月公表)

100人未満の会社は対象に入っていないため、あくまで目安です。それでも、多くの会社が賃上げをしている中で、自分の基本給だけが何年も変わっていないなら、個人の評価よりも会社の仕組みや業績に原因がある可能性を考えてよいでしょう。原因の切り分け方は年収が上がらない理由と理由別の対処法が参考になります。

昇給の基準が明確で、評価される経験を積めているなら急いで転職しなくてよい

反対に、昇給の基準がはっきりしていて、次の評価や昇格で給料が上がる見込みがあるなら、急いで転職する必要はありません。入社して数年の時期や、資格の取得や昇格の直前など、もう少し続けると転職市場で評価される経験が増える時期もあります。

この場合は、今の会社で昇給交渉のやり方を確かめて評価面談で相談したり、副業や固定費の見直しで手元のお金を増やしたりしながら、次の評価の結果を待つ選択もあります。給料の安さそのものが生活を圧迫していて辞めるか迷うときは、給料が安いから辞めたいときの判断基準で確かめることを整理しています。

給料を理由に前職を辞めた転職者は男性9.9%・女性8.6%。不満が給料だけかを確かめる

給料を理由に転職する人は珍しくありません。厚生労働省「令和7年雇用動向調査」で、転職した人が前職を辞めた理由を見ると、「給料等収入が少なかった」は男性9.9%、女性8.6%でした。男性では「その他の個人的理由」などを除くと、「定年・契約期間の満了」(16.1%)に次いで多い理由です。

前職を辞めた理由男性女性
給料等収入が少なかった9.9%8.6%
労働時間、休日等の労働条件が悪かった8.5%12.9%
職場の人間関係が好ましくなかった8.9%11.5%
会社の将来が不安だった6.9%4.3%

※令和7(2025)年1年間の転職入職者のうち、前職が雇用者の人。理由の一部を抜粋。引用:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」(表5)

女性では労働時間や人間関係を理由に挙げる人のほうが多いように、転職の理由は給料だけではありません。給料のほかに労働時間や職場の雰囲気にも不満があるなら、転職先を選ぶときに年収だけを見ないことが大切です。逆に、不満が給料だけなら、昇給の交渉や社内での異動で解決できないかを先に確かめる価値があります。

給料が上がらない人が転職で上がりやすい条件・下がりやすい条件

転職すれば給料が上がるとは限りません。ここでは、公的統計で分かる転職後の賃金の変化と、上がりやすい条件・下がりやすい条件を整理します。

転職で賃金が増えた人は40.8%、減った人も31.0%いる

厚生労働省「令和7年雇用動向調査」によると、2025年の1年間に転職した人のうち、前職より賃金が「増加」した人は40.8%、「減少」した人は31.0%でした。「変わらない」人も25.5%います。1割以上増えた人は28.2%、1割以上減った人は21.9%です。

増えた人が減った人を上回っているものの、転職した人の3割ほどは賃金が下がっています。給料が上がらないことを理由に転職しても、条件の選び方によっては今より下がることがあると考えておくのが現実的です。上がる人の割合や年収アップの進め方は、転職で年収アップする方法で詳しく解説しています。

上がりやすいのは、経験を活かしたまま給与水準の高い業界・会社に移る転職

給料が上がりやすいのは、今の職種の経験を活かしたまま、給与水準の高い業界や規模の大きい会社に移る転職です。給料が上がらない原因が「業界や会社の給与水準」にある人ほど、この形の転職で改善しやすくなります。

同じ調査では、雇用期間の定めのない仕事どうしの転職で「増加」が45.1%、「減少」が28.3%でした。正社員のような期間の定めのない働き方を続けたまま、より条件の良い会社に移ることが、給料が上がる転職の基本形といえます。年代では20代から40代まで「増加」が4割を超えています。

下がりやすいのは、50代以降・未経験の職種・退職後に期間が空いた転職

反対に、50代以降の転職、未経験の職種への転職、退職してから次の仕事まで期間が空いた転職は、給料が下がりやすい傾向があります。

条件統計で分かる傾向理由として考えられること
50代以降50〜54歳は減少42.0%・増加29.4%役職定年や、60代以降は定年後の再就職も含まれる
未経験の職種(雇用動向調査の概要では示されていない)前職の経験が給与に反映されにくい
離職期間が長い6か月〜1年未満は減少41.2%・増加28.8%条件を比べる余裕がなくなりやすい

※令和7(2025)年の転職入職者(前職が雇用者の人)。離職期間別はe-Stat 雇用動向調査 令和7年 第14表の人数から編集部で割合を算出(分母は賃金変動の不詳を含む計)。年齢別の引用:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」(表6)

離職期間が長い人には、病気や家庭の事情で仕事を離れた人も含まれるため、期間そのものが賃金を下げているとは言い切れません。ただ、給料が上がらない不満から先に退職すると、収入のない期間に焦って決めてしまうことがあります。下がりやすいケースと許容範囲の考え方は転職で年収が下がる人の割合と対策で解説しています。

給料が上がらないから転職する前に確認すること

転職を決める前に確認しておくと、「上がると思って転職したのに下がった」という失敗を避けやすくなります。ここでは、動く前に確かめておきたい4つのことを解説します。

源泉徴収票と給与明細で、上がっていないのが基本給か賞与か残業代かを確かめる

まずは、源泉徴収票3年分の「支払金額」(額面年収)を並べ、給与明細で基本給・残業代・手当・賞与のどれが変わっていないかを確かめることから始めます。額面年収とは、税金や社会保険料が引かれる前の金額です。

基本給は少しずつ上がっているのに、残業が減って年収が横ばいになっているなら、会社の昇給の仕組みには問題がない可能性があります。反対に、基本給が何年も同じなら、昇給の仕組みや業績に原因があると考えられます。どこが動いていないかで、転職で解決できるかが変わります。

仕事が増えても給料が増えないなら、評価面談で「次に上がる条件」を聞く

「担当する仕事は増えたのに給料が変わらない」という場合は、評価面談で、等級や役職が上がる条件と、上がったときの給料の変化を具体的に聞くのがおすすめです。基本給を等級や役職で決める賃金制度の会社では、担当する仕事が増えても等級が変わらなければ、給料は動きにくいためです。

聞いた答えは日付とあわせて記録しておきます。条件がはっきりしていれば、それを満たすまで続けるかを判断できます。「条件は特にない」「会社の業績次第」といった答えしか返ってこない場合は、転職を検討する材料になります。

求人の想定年収を調べ、今より1割以上高い求人があるかを見る

転職で給料が上がるかどうかは、同じ職種・同じ程度の経験を求める求人の想定年収を5〜10件集め、今の額面年収と比べるとおおよそ見当がつきます。前述の通り、転職で1割以上増えた人は28.2%です。今の年収の1割増を一つの目安にすると、高望みしすぎず、下がる転職も避けやすくなります。

1割以上高い求人がほとんど見つからない場合は、職種や業界の水準そのものが低い可能性があります。その場合は、転職の前にスキルを足すことも選択肢になります。年代別・業種別の上がり幅は転職の年収アップ相場で詳しく紹介しています。

生活費から、これ以上は下げられない年収の下限を決めておく

動く前に、毎月の生活費と貯蓄から、「これ以上は下げられない年収の下限」を決めておくと、内定が出たときに迷わずに判断できます。下限がないと、「今の会社を早く辞めたい」という気持ちから、今より低い条件で決めてしまうことがあります。

下限を決めるときは、額面ではなく手取りで考えると現実に近くなります。あわせて、転職活動の間に家計が苦しくならないよう、固定費の見直しで毎月の支出を減らしておくと、条件を比べる余裕を持ちやすくなります。

在職中に転職活動を進める4つの手順

給料が上がらないことを理由に転職するなら、今の会社に在籍したまま活動を進めるのが基本です。ここでは、応募から退職までの流れを4つの手順で解説します。

手順1:応募書類に、給料と関係なく出した実績を数字で書く

最初に、職務経歴書に担当した業務の範囲と、出した実績を数字で書くことから始めます。今の会社で給料が上がっていなくても、売上や件数、改善した作業時間などの実績は、転職先での評価の根拠になります。

面接で転職の理由を聞かれたときは、「給料が上がらない」とだけ伝えるより、「成果が給与に反映される環境で、〇〇の経験を活かしたい」のように、これからやりたいことと結びつけて話すと伝わりやすくなります。給料を理由にすること自体は不自然ではありませんが、不満だけを話すと印象が伝わりにくくなります。

手順2:在職中に複数の会社へ応募し、提示年収を比べる

応募は在職中に複数の会社へ行い、内定時の提示年収を比べるのが基本です。比べる相手があると、提示額が高いのか低いのかを判断でき、年収交渉の根拠にもなります。

提示額が下限を下回る場合や、相場より低い場合は、内定後に条件を相談する余地があります。交渉のタイミングや伝え方は転職の年収交渉のやり方で解説しています。転職エージェントを使う場合は、厚生労働省の人材サービス総合サイトで許可を受けた事業者かを確かめておくと安心です。

手順3:内定が出たら労働条件通知書で賃金の内訳を確かめる

内定が出たら、口頭の「年収〇〇万円」だけで判断せず、労働条件通知書などの書面で、月給・賞与・残業代・手当の内訳を確かめることが大切です。労働基準法第15条では、会社は労働契約を結ぶときに賃金や労働時間などの労働条件を明示しなければならないと定めています(労働基準法(e-Gov法令検索))。

特に、提示年収に固定残業代や賞与が多く含まれていると、基本給が今より低いことがあります。給料が上がらないことを理由に転職するなら、入社後の昇給の時期と基準もあわせて聞いておくと、同じ悩みを繰り返しにくくなります。

手順4:退職は内定と入社日が決まってから申し出る

退職の申し出は、内定を受け、入社日が決まってから行うのが安全です。先に辞めてしまうと、前述の通り収入のない期間が長くなり、条件を比べる余裕がなくなりやすいためです。

申し出の時期は、就業規則に「退職の1か月前までに申し出る」といった定めがある場合もあるため、事前に確かめておきます。引き継ぎの期間も考えて、入社日は余裕を持って調整するとトラブルを防げます。退職を伝えたときに昇給を提示されることもありますが、その場の金額だけで残るかを決めず、翌年以降も上がる基準や時期が示されるかを確かめてから判断しましょう。

【まとめ】給料が上がらないなら転職するかは原因と相場を確かめてから決めよう

当記事では、給料が上がらないときに転職すべきかの判断基準と、動く前に確認すること、在職中の進め方をご紹介しました。ポイントは次の通りです。

  • 転職を考えてよいのは、原因が会社や業界にあり、今の会社で上がる道筋が見えないとき
  • 2025年は100人以上の企業の91.5%が賃上げ(厚生労働省「令和7年賃金引上げ等の実態に関する調査」)。何年も基本給が動かないなら原因を確かめる
  • 転職で賃金が増えた人は40.8%、減った人は31.0%(厚生労働省「令和7年雇用動向調査」)。転職すれば上がるとは限らない
  • 上がりやすいのは経験を活かして給与水準の高い業界・会社に移る転職。50代以降・未経験の職種・離職期間が長い転職は下がりやすい
  • 活動は在職中に進め、提示年収を比べてから退職を決める

すぐに転職を決める必要はありません。まずは源泉徴収票3年分を並べ、基本給・賞与・残業代のどれが上がっていないかを確かめることから始めてみてください。原因が分かれば、今の会社に残るか、転職で解決するかを判断しやすくなります。転職以外も含めた年収の上げ方の全体像は、年収を上げたい人がやるべきことで整理しています。

記事の情報について

本記事は一般的な情報の提供を目的としており、収入の増加や特定の結果を保証するものではありません。税金・社会保険・制度の内容は改正されることがあるため、最新情報は公的機関の公式サイトでご確認ください。本記事の情報は2026年10月時点のものです。

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この記事を書いた人

年収上げたい.com を運営する編集部です。年収を上げたい人に向けて、国税庁・厚生労働省などの公的な統計や制度の一次情報をもとに、今の会社で上げる・転職・スキルと資格・副業・支出の見直しといった打ち手をわかりやすく解説しています。記事は公開前に数字と制度を一次情報で確認し、結果を保証するような表現はしない方針です。

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